小学校での英語の授業はどのようなことをしているのでしょうか。
小学校3年生と4年生は外国語活動なので読み書きはせず「聞くこと」「話すこと」がメインの学習です。本記事では3、4年生向けのゲームや歌、そして5年生、6年生向けの「書くこと」を意識したカードづくりのワークを提案します。
対象は各家庭で親子でするクリスマスワークを想定しています。
簡単な筆者の紹介ですが、中高の英語教員免許を持っており、半年間の海外留学や短期交換留学の経験あり。自身が幼児期に英会話教室に通う経験があり、現在は二児のバイリンガル子育てに奮闘中で、下の子供ではおうち英語の失敗経験もあります。
これらの経験から、本記事では親子で楽しむことのできる小学校英語のクリスマスワークを提案したいと考えています。もちろん小学校の先生が小学校の授業で使う学習指導案に本記事のアイデアを取り入れられるよう、アイデア出しをしていきたいと思います。
クリスマスゲーム①|サンタさんを描こう
まずはじめに、サンタの絵を描くアクティビティを用意してみました。
必要なもの
活動に必要なものをまとめました。
- サンタを描くための紙(A4)
- 色鉛筆やクレヨン、クーピーなど
- 導入に使うイラスト(体の部位)のカード
- 体の部位を学ぶための英語の曲(Head, Shoulders, Knees, and Toes)
- クリスマスソング
これらを使って体の部位を学習しつつサンタを描いていくことができます。
導入
導入では体のパーツについて確認していきます。
head(頭) | face(顔) | eye(目) | ear(耳) | nose(鼻) |
mouth(口) | tooth(歯) | tongue(舌) | neck(首) | shoulder(肩) |
hand(手) | arm(腕) | finger(指) | leg(脚) | knee(ひざ) |
foot(足) | toe(足の指) | back(背中) | stomach(お腹) | hair(髪の毛) |
上記表には、小学校で習わないような単語も入っています。tongueやstomachです。
しかし、筆者は「難しいから」「中学で習うから」「読み書きに使わないから」といった理由でそれらの英単語に触れないことはよくないとことだと考えていますので、なるべく使いたいと考えています。
サンタであれば、beardやmustacheといったヒゲという意味の単語も使う必要があります。
一般的な英単語はちょこちょこ使い、ヒゲの単語のように頻度がひくいものは季節の行事で使うくらいでいいかと思います。
なお、余談ですが筆者の家庭ではchin(顎先)やhip, butt(おしり)もよく出てきます。
カードを使って体の部位に慣れ親しむ
体のパーツに関する英単語は部位を指さしながら言ってもいいでしょう。
子供が慣れてきたら「What’s this?」と指差しながら聞きあうゲームにしてみてはどうでしょうか。
「3回当てることができたらご褒美シール」なんてルールがあると、子供もやる気になります。
当てっこゲームはこちらで理解しているものをわざと言うことで難易度をコントロールできるのでモチベーションを操作するのにも役立ちます。
実際にサンタを描いていく
この時も、「What’s this?」で部位を聞いていくといいでしょうし、「Where is Santa’s ◯◯?」と部位を聞いてもよいでしょう。
この時、色について学んでいれば、ペン探しを手伝ってもらうために「Where is ◯◯(色)?」と聞いてみたり、かわいいや長い、大きいといった形容詞に触れた経験があれば、「Santa’s eyes are cute.」とか「Your Santa’s arms are long.」のような感想を言い合うなんて活動もよいでしょう。
表現については間違っていてOKです。
少しずつ修正していけばいいですし、動画を見たり英語の曲を聞いたり、誰かと会話をしているうちに少しずつ整理されて文法表現も見についていきます。
クリスマスゲーム②|小学校英語を使いながらできるかるた遊び
かるた作りをしながらクリスマスに関係する名詞に触れる活動です。絵を描くのが難しい場合は「ぬりえ」できるシートを用意して色塗りだけをさせてもいいでしょう。ゲーム②と以下の③ですが記事のコンテンツ量が多くなりすぎると判断したので割愛することとしました。引き続き概要だけを記入します。
クリスマスゲーム③|クリスマスデコレーションを楽しもう
こちらは、クリスマスのデコレーションに関係する単語を集めて色塗りをする活動です。
色についてのカードを確認したあとに、クリスマスツリーやジンジャーブレッドマン、クリスマスリースやサンタのソリ、トナカイなどクリスマスに関係するイラストカードを作り色を塗ります。
上手にできたものは額縁に入れて飾ったりガーランドを作ってあげるのもいいでしょう。ラミネートしてブックマーク(しおり)にしても楽しいかと思います。
クリスマスカードを小学校英語を使って作成しよう
ゲームが結局1つしか紹介できませんでしたが、続いてクリスマスカードを作る活動を説明していきます。
クリスマスカードの文化を知ろう
まずは英語に関係なくクリスマスカードの文化について話をしてみてはどうでしょうか。これは言語活動を優先したい小学校の外国語活動(授業中)で長々と話すことができないかもしれませんので、家庭でママやパパが一緒にカードを送り合う文化について話し合い、考えてみることをおすすめしたいです。
クリスマスカードの文化
クリスマスカードは日本の年賀状のようなものです。筆者の海外留学で体験した話をすると、大体12月上旬頃には相手に届くようにします。祖父母に孫たちが手渡しするような瞬間も見ることができて当時はとてもほっこりした記憶があります。
さて、もらったカードですが暖炉の上やテーブルの上に飾ります。筆者のホストは前年度にもらったお気に入りのカードも一緒に飾っていた記憶があります。
クリスマスはキリストの誕生を祝う日なので、キリスト教を信仰していない外国人にとって「メリークリスマス」は不適切なこともあります。宗教についての概念を子供たちは持っていないかもしれませんが、社会科の授業を受けて少しずつ世界に対する興味や知識が増えてきたタイミングで、そのような配慮の話をしてみるのもよいでしょう。
カードを作ってプレゼントしよう
では、さっそくカードづくりについて活動内容を話していきます。
必要なもの
まずは必要なものをリストアアップしてみます。
- カードサイズの用紙(厚紙)で谷折りになっているもの
- 色鉛筆など
- 白い綿やキラキラシール
- Happy Holidaysなどのフレーズが書かれた紙
- クリスマスにちなんだもののイラストが描かれたカード
まずは、イラストカード(ピクチャーカード)を使ってクリスマスワードを確認していきます。
単語に触れながらイメージを作っていく作業です。
あまりにたくさんの単語を扱うと、覚えられないので2〜4つ程度でもいいでしょう。
続いて、完成イメージを共有するといいと思います。
イラストの描かれたカードでもいいですし、スマホでインターネット検索して実際のクリスマスカードを見てもいいです。
実際に作ってみる
作っていくときに、「Oh, is this a reindeer?(これはトナカイ?)」のように聞いてみるといいでしょう。
分からない時は「This reindeer is so cute!(このトナカイとってもかわいい)」のように声掛けしてみると少しずつ単語に慣れていくことができます。筆者は、その後も「Do you like reindeers?」のように質問やトナカイの特徴の説明(鼻が赤いとか耳が大きいねとか)を連発していきます。
この時、シールやふわふわの綿があるとそれらを貼り付けるワークを楽しみながらできます。もちろん余裕があればそのシールや綿についても英語で触れます。余談ですが筆者の子供たちは「flaffy(ふわふわした)」という形容詞が大好きです。
完成したらテーブルや棚の上、玄関などに飾りましょう。
「He/She made this Xmas card.」のように子供の兄弟やあなたのパートナーに伝えて、英会話を広げていくことができればどんどん楽しくなります。
もらったカードを褒めたりお礼を言おう
カードの交換を子供が喜ぶポイントは「親がしっかり喜びお礼を言うこと」だと考えます。
しっかりとお礼を伝え、リビングや玄関に飾ることで子供の自己肯定感が高まり、一緒にカードづくりをしてよかったと思えるはずです。
またお礼に関する表現についても親子で確認することで、子供が小学校で英語の授業を受ける時に「知っている」と感じることができるため安心です。
Thank you for this nice Xmas card.
といった言葉がけをしてみましょう。
まとめ
親にとっても最初は上手に英語でのコミュニケーションを取ることが難しいかもしれません。
しかし、子供が「分からない」と感じた時に英語と向き合うかどうかは、親が英語にどのように向き合っているかも重要なポイントです。
小学校英語で触れる英単語の数は何と600〜700単語と言われています。
文部科学省の学習指導要領によると、この数は「覚えさせる(習得する)数」ということではなく、子供が使う英単語に加え、英語の先生が使うことによって生徒たちが見聞きする単語を含むものの総数を示しています。
様々な単語に触れながら少しずつ英語に慣れていくことが習慣化していくことで、抵抗なく英語に触れる日常を手にすることができるのではないでしょうか。