オンライン英会話の子供向けのものは25分程度のレッスンが一般的です。
子供の集中力を考えると程よい時間ともいえますが、毎日25分のレッスンで効果はどれくらいあるのでしょうか。
科学的な根拠を提示し、上手にオンライン英会話を使って子供に英語を習わせる方法を提案します。
オンライン英会話を子供に毎日やらせても効果はない?
結論をいえば、1日25分の英会話レッスンだけでは圧倒的に足りません。
ネットや書籍を参考にすると英語を習得するのに必要な時間は1,000時間、2,000時間、3,000時間が必要といったものを見ることがあります。
どれが本当か分かりませんね(笑)
そこで、日本人の英語習得とは逆の話になりますが、以下のようなデータがあります。
アメリカの政府機関であるForeign Service Institute(FSI)は日本語を難易度4段階で最も難しいカテゴリー4に分類し、英語をネイティブとする者が日本語を習得するまでに2,200時間を要するという研究データを公開している。
※参考:Foreign Language Training/Foreign Service Institute
日本人が英語を習得するまでの時間はまた別ものですが、この2,200時間という数値が示すものの1つとして英語と日本語は全く異なる言語だと考えられるということです。
さて、日本人の英語学習と米国人の日本語学習の必要時間を仮に2,000時間として、ちょっとした計算をしてみたいと思います。
オンライン英会話を1日25分子供に受けさせた場合、何年で2,000時間に到達する?
例えば、2,000時間を分であわらすと120,000分です。
1日25分を365日(1年)継続した場合は9,125分なのですが、10年で91,250分、それに3年分を加えると118,625分で約2,000時間になります。
1日25分だと約13年かかることが分かります。
もはや幼児英会話の域を超えて中学生になっちゃってますね。
そして、1つの言語を習得するのに13年かかる計算になりましたが、母国語で考えた場合は経験上3年前後である程度会話が成立するまでに育ちます。
この例からも1日25分のオンライン英会話だけで英語を習得しようとすることは13年もかかり非効率的なことだと分かるのではないでしょうか。
誤解がないように言っておきますが、これはオンライン英会話が悪いという話ではなくオンライン英会話を機会に1日にもっとたくさん英語に触れる時間を作らなければ無意味ですよということです。
つまり、1日25分の授業をキッカケにどんどん英語を話す機会を増やすべきです。
1日25分のみのオンライン英会話で子供に英語は定着するのか
「 1日25分、オンライン英会話をしていれば少しくらい英語が話せるようになるかな?」なんて思っているママパパはそういないと思います。
おうち英語を実践していてSNSで情報公開している方の毎日の関わり方を見ていると、オンライン英会話に絵本の読み聞かせ、英語の動画鑑賞、アルファベットの書き取り、フォニックスの練習など人それぞれに実に様々な取り組みをしています。
やはり、言語を習得するには努力が必要なんですね。
そしてもう1つ重要なポイントとして継続が必要です。
人間の脳は、楽しい思い出は簡単に記憶できます。
しかし、不必要だと感じたらその瞬間にキレイさっぱり忘れるような仕様になっているんですね。
1800年代の心理学者ヘルマン・エビングハウスが示した忘却曲線をご存知でしょうか。
毎日25分を継続すれば忘れにくくはなりますが、インプットに費やす時間が少なければアウトプットできる量もなかなか増えないため非効率的な学習になることが予想されます。
そして、幼児であれば1日に12時間以上は起きているでしょうが、その間25分のみがオンライン英会話の時間とすると、残りの11時間35分は日本語で生活することになります。
日本語のインプット量は膨大ですし、英語に対して必要性を全く感じなくなりますよね。
こんな状態であれば英語でコミュニケーションを取ろうとは思いませんし、無意識に記憶に定着させようとすることなんて起きそうにありません。
1日60分の英会話学習でも5年半かかる話
2,000時間を達成するのに、1日1時間を費やしたとしても5年以上の月日が必要になります。
そして、毎日1時間オンライン英会話のレッスンを受講させるなんて金銭面で負担です。
しかも、ネイティブとの質の高い会話を求めれば費用は高くなるので、質量どちらも満足いくレッスンを受けさせるための月謝は高くなる一方です。
そこで考えていきたいのは、オンライン英会話レッスンの使い方です。
むやみに「将来のために英語に触れさせたい」なんて無計画にオンライン英会話を習わせるのであればムダになってしまうリスクが考えられます。
しかし効率の良い使い方をすることでオンライン英会話の効果を高めることは可能です。
まずは、1日60分という時間の使い方を考えていきましょう。
25分×3回と切りわけてオンライン英会話を活用する
本記事で提案したいことは、以下の通りです。
- アウトプット環境として1日25分のオンライン英会話を利用
- インプット環境は25分前後×2回のYouTube動画やCDを活用
まずアウトプットは、インプットできる内容があってはじめて成立するので、乳幼児期はインプット量を多く設定することをおすすめします。
30分程度の動画であればYouTubeにたくさんありますよね。
ワールドワイドキッズや(現在は販売されていません)ディズニー英語システムのような幼児英語教材を用いてインプットするのもおすすめです。
高価ではありますが、その分教育的で効率的なインプットが可能です。なお、筆者は英語教材の利用が効率化に必要だと考えるので、投資としてよいと思っています。
オンライン英会話を使って子供に毎日英語学習をさせながらアウトプット量を増やすには
どうすればアウトプット量を増やせるか、そのポイントは親であるあなたにあります。
今後、オンライン英会話を始めたら先生と一緒に話す子供の横でハラハラドキドキするはずです。
あなたが英語に苦手意識を持っていれば余計に不安を感じることでしょう。
しかし、毎日オンライン英会話をさせるとすれば、1日25分を5年以上続ける可能性があります。(あなたが途中でやめることを選ばなければ)
つまり、あなた自身も英語のインプット環境とアウトプット環境を手にすることになります。
するとどうなるでしょうか。
大人であるあなたは子供よりも効率よく英語を吸収していきます。(母国語を使って思考しながらです。実はこれには良し悪しがありますが…)
1年も続ければ「何となく英語で話せて何となく英語を聴いて理解することができるようになる」という経験をするはずです。
これは、筆者のパートナーも子供のバイリンガル教育を通して感じていたことなので、英語学習を継続することで多くの方が共感できるものだと確信しています。
これで、今より話せるようになったあなたのおかげで、あなたの子供は25分のオンライン英会話以外の時間でも、あなたを通してアウトプット環境を手にすることが可能となります。
オンライン英会話を活用して子供に毎日英語を学ばせる秘訣
どうすればオンライン英会話を使っておうち英語を成功させられるか、その答えは先述した継続が最も重要だといえます。
一方的なインプットは子供を苦しめます。
親子で英語の動画や歌を楽しみながらインプットし、親子でオンライン英会話のアウトプットを楽しむべきです。
そして、再度お伝えしますが、毎日続けるということが何よりも重要です。
親子で継続ができるのであれば、毎日オンライン英会話でレッスンを受ける必要もありません。
毎日レッスンは家計に負担をかけてしまいますよね。
自分で話しかけたり動画や歌選びをしたりすることは不安を招きますが、それでも毎日試行錯誤しながら英語によるコミュニケーションを楽しんでみてください。
間違えた表現を子供が覚えてしまったとしても後々には正してもらうというコミュニケーションにつながることがあります。
長くなりましたが、今回はここまでにします。
あなたがオンライン英会話を活用して親子で英会話を続けられるようになることを願っています。
今日も読んでいただきありがとうございました。