バイリンガル【Bilingual】とは二か国語を話せることを言いますが、国際的な感覚を身につけさせるべく日本語と英語を幼少期に学習させたいと考える親はそう少なくありません。
しかし、自分がバイリンガルでないために、そのデメリットや失敗について不安を抱くこともあります。
筆者は現在、1歳10ヶ月になる子供にバイリンガル教育をしていますが、現状と今後の展望、そしてデメリットや失敗しないための対策について本記事にまとめていきたいと思います。
バイリンガル教育の方法|具体的な幼児英語学習の内容と我が子の現状
日本在住で、ネイティブとの接点もない筆者の子供は現在1歳10ヶ月ですが、英語の歌を12曲以上認識しており、歌うことができます。
もちろん、はっきりとした発音で歌えるところはまだ少ないのですが、それでも英語のフレーズを言っていると分かるところが多くあります。
英語で話しかけると、難しい時はとりあえず「Okey」と答えることもありますが、返答の仕方が分からないだけで内容は理解しているのだろうと感じる場面にもよく遭遇します。
先日、子供がどれくらいの単語を理解しているかを数えてみたら、100語以上あることが分かりました。ざっと数えたのと、最近また新たに単語を覚えているので現在は200語以上は理解しているのではないかと思います。
実際にどのような単語を知っているのかというと
「Touch your 〇〇.」の〇〇に体の部位(head、nose、eyes、chinなど)を入れて話しかけると、ちゃんと触ることができますし、「Turn around.」「Clap your hands.」「Point red dot.」などの指示語にも対応します。
「From now, Papa will wash my hand there, so please stay here. Can you wait for Papa?」といったようなことを伝えて、「Stay here, don’t move please.」などと言いながら立ち去ると、大体ちゃんと待っていてくれます。
筆者が使う英語は時々怪しいですし、発音も悪いと思います。もちろん使用する表現も中学英語レベルの文法と単語がほとんどです。
それでも、子供は時に親よりもきれいな発音で英単語を発することがあります。
どのようにしてそうなったのかについては、特に大掛かりな仕組みはありませんでした。ただ英語の「きらきら星」やYouTubeで再生できる無料の音楽を聴かせながら、時に歌えそうなものを歌詞を覚えて歌ってあげただけです。
バイリンガル教育を開始してからの1年10ヶ月間にどのように成長したか
生後2ヶ月から始めたバイリンガル教育で主に使っていたのは次のような動画でした。
「peppa pig」はイギリスのアニメで、2018年に日本にも上陸しました。日本語による吹き替え版があるのですが、筆者の家ではもちろん英語で流していました。子供向けなのですが、意外と難しく内容が理解できないところもあります。
ちなみに、現在は内容が結構難しいということに子供が気付き、見てくれなくなりました。
「Super Simple Songs」はすべて歌なのでリズムがあり、(筆者の子供に)長く愛された動画です。この動画のおかげで「apple」や「banana」「turn around」「No」といった単語を覚えることができたので、バイリンガル教育にはかなり貢献してもらったと感謝しています。
しかし、すぐに子供が単語を言えるようになった訳ではありません。日本語の習得でも同じことが言えますが、一般的に言葉での意思疎通ができるまでに1年半~2年弱の期間が必要です。
その期間は、子供は言葉をインプットしている時期であり、無言の時期と言えます。この「無言の時期」は言語習得には欠かせない時期であり、耳や目で吸収した情報を整理している時期だとも言えます。
子供が反応しだすまでは一方的に親が話しかけたり動画や音声を流して歌ったり踊ったりする期間となるため、親は不安を感じやすくなりますが、子供はしっかりと親を見て成長しているので安心してバイリンガル教育を継続していきましょう。
ちなみに、この無言の時期は親にとってはゆっくり自分のペースで英会話と向き合える時期でもあります。簡単な単語や表現しか使わない時期だからこそ、楽しみながら英語教育と向き合えるのではないでしょうか。
子供にバイリンガル教育を受けさせると親が決めた時点で、親自身にもインプットをする時期である無言の時期が訪れます。「分からない」「難しい」と考えてしまいがちですが、日本語であれこれ考えず純粋にインプットを楽しんでいくことが継続するための秘訣だと言えます。
筆者も1年近く一方的に英語で話しかけたり音楽や映像を流す時期を経験して、マイペースに乗り切りましたが、子供が1歳になる前に始めたベネッセの「こどもちゃれんじbaby」でバイリンガル教育が劇的に効率化しました。
「こどもちゃれんじbaby」は子供が1歳になると「こどもちゃれんじぷち」になるのですが、その「ぷち」についてくるDVDにものすごく影響を受けました。
実は、そのDVDには英語音声があり、その事実に気付いてから筆者のうちではなるべくDVDを英語音声で再生するようにしました。下の動画は後半で英語音声で映像を楽しむことができます。
上の動画でいえば10:55あたりの映像で、子供と一緒に遊びながら「tall」や「short」を学ぶことができました。現在、「こどもちゃれんじぷち」のDVDは6枚、体験版と合わせると8枚を所有していますが、ほぼ毎日DVDを見ています。
1歳3ヶ月頃から単語を言えるようになり(ちょっと記憶が定かではありません)、それから6ヶ月間はものすごいスピードで言葉を覚えています。
1歳4~5ヶ月では、「Thank you.」「Here you are.」といったフレーズを言えるようになり、1歳10ヶ月の現在では数字を1~10まで英語で数えることができるようになりました。(8と9は曖昧ですが)
他にも現在は、「circle」「triangle」「square」は親よりもきれいな発音で言うことができます。「Have you seen my cat?」も絵本の読み聞かせから、耳で聴いてハッキリではないものの、ちゃんと言えるようになりました。
すごいなと思うのは、文法も単語も習っているわけではなく、英単語も読めるわけではないのに言語を習得する能力が備わっているということです。
どうして理解できるようになったのかというと、キーワードは「継続」「リズム」「楽しむ」「必要性」などがあると思います。
親が英語を使っていれば、必要性を感じて大事な単語を覚えるし、要求するために言葉にしようと集中して覚えようとします。そうしないとオムツは汚いままだし、ご飯も食べられないのだから自然と覚えていくのは生きていくための本能だと言えます。
あとは、メロディやリズムがあると楽しむことができるので、遊びたい一心で英語を吸収します。
筆者の家では、このようにして1年10ヶ月を過ごしてきました。現在は外国の絵本を購入したり、ベネッセの幼児英語教材を購入するといった新たな取り組みを少しずつ増やしていますが、それはまたどこかで紹介します。
バイリンガル教育の方法を実践すると日本語が劣ってしまうのか
バイリンガル教育をすると、日本語の習得が遅れだし、その分だけ論理的思考力もなかなか育たないのではないかと不安を抱く方もいるのではないでしょうか。
筆者も、バイリンガル教育を始める前はそのような心配をしていました。
しかし、1年10ヶ月のバイリンガル教育を受けた子供の言語習得状況はというと、「むしろ同じ月に生まれた他の子供より言語力も思考力も高いのではないか」と感じるほどです。
筆者の推測では、1つの物体に2つの名称(英語と日本語)を覚えていて、異なる文構造(日本語用の文法と英語用の文法)を常に意識するため脳細胞が常に活性化して刺激を受けているからなのではないかと思います。
定期検診などで小児科の主治医に診てもらう度に、「言語能力は通常より発達しているようですね」と言われます。
実例をあげるなら、1歳10ヶ月で「お風呂入ろう、パパ待ってる」のような長い文を言いますが、他の1歳10ヶ月の子供では、もう少し表現はシンプルなようです。
バイリンガル教育の方法を実践した際のデメリットとは
実はバイリンガル教育を始めて1年と10ヶ月が経過した時点で、筆者は2つのデメリットがあると感じています。
1つ目は、子供がルー大柴さん、またはジャニーさん(ジャニー喜多川さん・ジャニーズ事務所社長)のように英語と日本語を混ぜて話してしまうことがあるという点です。
「ユー今日はミーと渋谷でランチいっとく?」とか「恥ずかしくて合わせるフェイス(顔)がない」といった愉快な表現を心配してしまいます。
日本語と英語が入り混じった表現が当たり前になること、それが一番の不安であり心配要素です。
実際に筆者の子供はきらきら星を歌う時に次のように歌ったことがあります。
「きら~きら~ひ~か~る~、How I wonder what you are~」
現在、意味は分からず音だけで覚え、記憶した音をそのまま発声しているだけなのですが、今後更に文字や単語の意味に触れる際に言語がミックスした状態だと混乱してしまうのではないかと不安になります。
2つ目のデメリットですが、1つ目のデメリットを解消しようとした時、英語だけを使う環境(イマージョン教育)を意識せざるを得なくなりました。
つまり、筆者の場合はパートナーに日本語は任せて、筆者は英語オンリーで接するといった覚悟が必要になったのです。
これは時としてストレスになり得ます。
たとえば食材を子供と買いに行った時に会話が全部英語だと何だか気恥ずかしいと思う場面もあると思います。
また、食卓を囲んで食事をする際にも
- 筆者とパートナーは日本語で会話
- 子供とパートナーは日本語で会話
- 筆者と子供は英語で会話
といった不思議な三角図が完成してしまいます。
いつか「なんでママとパパは日本語で話しているのに、私とは英語なの?」と疑問を抱く日が来るかもしれません。
バイリンガル教育の方法|まとめ
バイリンガル教育はなんだかんだで難しそうだという印象を持った方もいるかもしれません。
しかし、中国語と英語が公用語の国があったり、トリリンガル(三ヵ国語話せる)の人も西洋圏には多いと聞きます。
人間の脳は柔軟に環境に慣れることができる適応力があると思います。
筆者は、子供にとってバイリンガル教育とその経験は必要なものだと思っているので、やってみる価値があると思っています。
結局のところ、挫折して諦めた時が本当の失敗だと思っているので、我が子と一緒に学びながら挑戦していきたいというのが親としての思いです。