あなたは、オンライン英会話を検討する際どのような観点でサービスを選ぶのでしょうか。
子供のオンライン英会話レッスンはネイティブ講師という理由だけで選ぶだけでは効果が期待できないことがあります。
英語と教育学を大学院まで学び、バイリンガル子育てを2年6ヶ月以上実践中の筆者がそう考える理由と、オンライン英会話をする際に大切な視点をお伝えします。
なお、本記事に出てくる子供の対象年齢は3歳以上です。
オンライン英会話で子供にネイティブ講師をつけるだけではNGな理由
筆者の主張は次のとおりです。
ネイティブ講師だとしても教育的効果の高いやりとりができるとは限らない
どういうことかと言うと、例えばですが日本の大人も日本語を扱えますが全ての人が教育的な配慮のできる人とはかぎりません。
親になることで多少は子育ての経験が身に付きますが、脳や身体の発達段階で幼児・子供がどのようなことに関心を持つのか、どのようなことができるようになるのかをご存知でない方も少なくありません。
まして、異国の大人ともなると日本人の個性や日本文化に興味はあっても知らないという方も多いでしょう。
オンライン英会話の子供向けレッスン講師がどのような研修を受けているか、という点は気になるところではないでしょうか。
このように考えていくと、次のようなスキルのあるオンライン英会話講師であってほしいと考えます。
- 質問に答えられなかった時にレベルに合わせた問いかけができるか
- 日本文化を知り日本人の内気で控えめな性格に寄り添えるか
- アカデミックな思考力・知識を持ち合わせているか
ただ単にネイティブ講師であればよいという訳ではないという主張の理由が伝わりましたでしょうか。
なぜネイティブ講師をつけてまで英語を身につけさせたいのか
筆者自身もバイリンガル教育を実践しながら考えることがありますが、そもそもどうして英語を身につけさせたいのかという自問自答をよくします。
言語はコミュニケーション手段の1つであり、知識や体験を得るためのツールの1つです。
コミュニケーションスキルであれば日本語でも身につけられますが、知識や体験を得るための手段として考えた場合、英語を習得することは有効的だと考えました。
英語を習得することは、コミュニケーションの可能性を広げるだけでなく、経済・外交・メディアの情報量の多さの面でもメリットがあります。
なので、筆者もあなたも子供に英語を学ばせたいと思うわけです。
英語が話せても裕福でない人もいる
しかしながら、オンライン英会話の子供向けレッスンで「ネイティブ講師と話せるからOK」と考えがちな人は客観的に考えてみてほしいことがあります。
世界で最も使用されている英語を学習すれば優位になるかというとそうでもないという事実です。
高度な思考力や判断力を身につけて、経済やビジネス、歴史や文化といった分野に興味を持ち、様々な人種と関わりながら理解しあえるような人物こそが豊かになれる可能性を秘めていると感じませんか。
言語習得と一緒に意識すべき大切なこと
オンライン英会話で子供にネイティブ講師をつけるだけOKだと思っていた人は改めて、次の視点でオンライン英会話サービス選びを考えてみてほしいです。
- 英語でコミュニケーションができる
- 言語を使って深く思考できる
シンプルながらも大事な視点です。
英語でコミュニケーションができる
これはオンライン英会話を利用したい親からすれば当たり前の視点ですが、オンライン英会話のレッスン講師の中にはネイティブ、フィリピン人、日本人(留学経験あり・ハーフなど)が含まれます。
中には大学生が講師をしているケースもあります。
日本人大学生の場合、安心してレッスンを受けることができますが、意思疎通ができず困ったときに日本語が出てくる可能性もありますね。
言語を使って深く思考できる
これまで本記事をお読みいただいたあなたなら、ただただネイティブ講師に英語を教えてもらうだけではなく、英語を使って思考力や判断力を伸ばすことの重要性が伝わっていることと思います。
母国語である日本語を習得するにあたっても小学校や中学校で理科と算数を学びながら思考力・判断力・分析力などを身につけますよね。
そして、大人になるにつれて複雑な内容の会話ができるようになります。
英語でもそのような状態まで引き上げていくことが英語を学ばせる理由を叶えることになると考えられるのではないでしょうか。
第二言語として英語を習得したい人へのアドバイス
お伝えした通り、知識や体験を得るためには思考力や判断力を高めていく必要があります。
思考力や判断力を高めるには、ただただ会話するだけでなく教育的なスキルを使い狙って疑問を投げかけていくことが必要となります。
このような事実を知ると、ただただネイティブ講師ならOKということにはならないのではないでしょうか。
思考力や判断力を高めてくれるネイティブ講師を探すべきです。
オンライン英語は子供が小学生なら重大な選択を迫られる
ただし、これまでの話は主に子供が3~6歳のケースについて当てはまる内容だといえます。
小学生になると子供は学校で国語や算数、その他の教科を学びながらどんどん高度な思考力を身に着けていきます。
その際、思考するのは日本語なのですが、日本語による思考力が身につくほどに英語を日本語で考えてしまうという状態になってしまうのです。
そのため、そのまま日本語で英語を学ぶタイプの学習スタイルにするか、英語で思考できるトレーニングをするかを考えていかなければなりません。
日本語フィルターを通して行う英会話
これは従来の日本人が実践してきた英語学習法です。
日本語を使っているため、英語を聞いて→日本語にして→日本語で言いたいことを考えて→英語を作るといった過程を踏みます。
ネイティブのような英語を話せなくても、それなりに会話できればいいし、大人になるまでにのんびり身につけてくれればいいと考えている方であれば、日本語による英語習得をしてもよいでしょう。
個人的な意見ですが、この学習法は日本語による思考力が伸びます。
教育の仕方によっては途中から日本語を切り離すことも可能かもしれませんが、意識できなければ難しいでしょう。
英語で思考しながらやりとりする英会話
小学生にもなるとある程度の思考力があるので、英語で思考しながらやりとりをしようとすると根気と時間が必要になります。
思考力が育っていると「日本語で考えないで」とお願いしても、自然と日本語で考えてしまうため労力がかかります。
全く日本語に触れない環境を作り、その中で英語のみで時間を過ごすくらいのことをしなければ日本語を忘れて英語で反応できるようにはならないのではないかと考えます。
ただし、筆者は成人してから日本語を意識的に考えないようにして英語を話すトレーニングをしたことがあり、それは効果的でした。
英語で話そうとしても正しい単語や文が即座に出てこないのでエラーまみれになりますが、それでもネイティブの言語習得ステップに似せた学習をすることはできるという結論にいたりました。
バイリンガル講師にオンライン英会話で求めるものを決定する
日本語を使って英語を学ぶにせよ、ネイティブの過程で英語を学ぶにせよ、オンライン英会話を利用するならば目的を決定するべきです。
もし、あなたが考える「子供に身につけさせたい英語」が日本語を使って考えてOKなものであれば、バイリンガル講師でなくてもよいかもしれません。
しかし、英語で思考して英語を使えるようにしたいのであれば、あなたは英語学習の手段だけでなくどのようにして英語による思考力や判断力を身につけさせるべきか、その教育をできるバイリンガル講師がいるのかどうかを考えてオンライン英会話サービスを探していく必要があります。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。