おうち英語で多読が効果的だという記事や情報をよく見ます。
もちろん、おうち英語に多読は必須で言語の習得に欠かせないものですが、失敗するリスクもあります。
多読にはどのような失敗のリスクがあり、どう改善すれば上手におうち英語ができるのかについてまとめました。
この記事を読めばバイリンガル教育がちょっと上手になります。
おうち英語で多読に潜む失敗のリスクとは
おうち英語の多読には実に様々な失敗リスクがあります。
ただただ本を与えるだけでは高い確率で失敗に終わってしまうでしょう。
どのようなリスクがあるかについてまずは知りましょう。
文構造の読み解きになる
幼児より大人にありがちですが、物語を読んでいるはずなのに、文構造の読み解きに集中してしまうケースがあります。
そのような大人が絵本を読み聞かせすると、子供が大きくなるにつれて「ここはこうだから過去形の○○だね。」といった文法的な説明をしてしまうかもしれません。
実際、本を読み聞かせするとき、日本語のものでも文法の説明なんてされたことがないと思います。
「英語の学習」となった瞬間についつい文法を意識してしまうのです。
カタカナ英語が定着する
何となく覚えた単語の発音で読んでいるとカタカナ英語が子供に定着してしまうリスクがあります。
私たち大人は中学校や高校で学習した英語をベースにバイリンガル教育をしています。
しかし、「transportation(輸送機関)」は/tr`ænspɚtéɪʃən/でトランスポーテーションではありません。
簡単な単語の連続した文でも、カタカナ英語で区切りながら読みがちです。
そのため、正しい英語を聴き取りにくいというデメリットが生じます。
単語の発音を間違う
多読は読むに徹するため、正しい発音かどうかを確認することが少なくなります。
そのため、合っていなくても意味が分かったからOKとなり、どんどん読み進めてしまいます。
その結果、単語の発音を間違えたまま覚えてしまうことがあります。
アウトプットが少なくなる
多読に注力するあまり、アウトプットの機会を減らしてしまうことがあります。
親子で一緒にお話したり、英語でマネ遊びをしたりすることがバイリンガル教育には効果的です。
実際に、筆者の家庭でも絵本の多読より、一緒にコミュニケーションを取る時間を優先していて、子供が英語を話せるようになりました。
未知の単語で萎える
多読をしていると、読み聞かせしている親も意外と知らない言葉がでてきます。
そして、子供が自分で読むようになっても「未知の単語との遭遇」は頻繁におこります。
すると、私たちや子供は「分からないからいいや」と投げ出してしまうことがあります。
子供にとっては分からない未知のものよりも大好きなアニメや幼稚園で流行っているキャラクターのほうが何倍も好きなので、未知の単語で萎えることでそれから英語に戻ってこなくなることもあり得ます。
長期的にお金がかかる
多読はたくさんの本を読み、何度も何度も読み返したり、新しい本に挑戦したりするので時間もお金もかかります。
書籍が1冊1,000円だとしたら、月に3~4冊購入すれば3,000~4,000円で、一年間で36,000~48,000円です。
本が2,000円なら単純に2倍の額がかかります。
本は意外とお金がかかるのです。
絵本や書籍の保管場所に困る
そして、絵本や書籍を購入しだすと、どんどん積み上げられていきます。
保管場所で困っている方も少なくありません。
あなたの家であれば、どこに保管しますか?
筆者のケースではリビングと寝室に小さなライブラリを設置していますが、これからどんどん本を購入していくとなると全くスペースが足りないなと感じています。
そのうち、1部屋をつぶしてプレイルームとして使うしかないだろうなと考えています。
しかし、置き場所に困りだすと書籍の購入を躊躇してしまいがちなので多読をあきらめてしまうケースもあるようです。
洋書がレベルに合わない
多読を試みてあれこれ本を買いだすのですが、読み手(子供)のレベルに合っていないがために読書嫌いになってしまうこともあります。
分からないことがストレスになり、体を使った遊びや友達とのふれあいに流れていってしまうケースです。
本で使われている表現や単語、ストーリーがどの程度のレベルなのかを見定めていく必要があります。
おうち英語の多読|リスク回避と改善策
あれこれとおうち英語で多読を取り入れた際のリスクについて読んでいただきました。
ここで、リスク回避のための改善策についても触れていきたいと思います。
ここでは4つ提案しますので、あなたにとってしやすいものを選んで実践してみてください。
はじめは歌になっていて音声があるものが良い
絵本レベルであれば歌になっているものや、音読のCDがついてくるものもあります。
親が家事をしている時にも、聞き流ししながら遊ぶということも可能なのでおすすめです。
また、CDは一般的にネイティブ音声が収録されているので、そちらから正しい発音を吸収できるという点でもメリットが大きいです。
カタカナ英語になるリスクをぐっと下げられますね。
親にとっても発音練習の参考にできるので、歌が入っているor朗読されているCD付きの絵本を1~2冊購入してみてはいかがでしょうか。
分からないものも放置するくらい心の余裕を持つ(長期的視点で)
実は、単語が分からないことや文法が分かっていないことは大きな問題ではありません。
私たちが母国語を振り返る時も「自転車で行きます。」の「で」を文法的に説明できるかというとそうでもありませんよね。
そして、子供たちもなぜか「で」の概念を分からないままに言葉を覚えていきます。
文法が分からなくても幼児は2~3年で言葉を扱えるようになるので、分からないことに一喜一憂する必要はありません。
単語の意味も少しずつ覚えて、ある日使えるようになります。(日本語でも同じような経験をしたことがあるのではないでしょうか。)
最も重要なことは、長期的な視点で子育てを楽しむことです。
分散型の子供向けライブラリを作るかデジタル書籍
置き場所については結構悩むと思いますが、筆者の場合はリビングと寝室にメインの本棚を設置し、読まなくなった本は別の部屋に収納しています。
近いうちに断捨離して夫婦の不要物を捨てながら子供部屋を作ろうと思っていますが、収納については限度があります。
そこで、子供向けのライブラリを作るのと同時にデジタル書籍も検討しています。
YouTubeなどの動画共有サービスでも絵本の朗読動画が人気ですが、テレビに文字と映像を映しだして読み聞かせしてあげることも可能です。
寝る前にはブルーライトが気になると思うので書籍一択ですが、日中や朝方の読み聞かせにはデジタル書籍は有効だと考えます。
レベルが分からなければ教材を使う
最後になりますが、子供がどれくらいのレベルの絵本が読めるのか分からない場合、公文やベネッセ、学研などの教材を利用するのも一つの手です。
子供の語彙力や理解力はもちろん、発育状態によってもできること・できないことが異なります。
そのため、子供向け教材を購入して利用するのも効率的で効果的な方法と言えます。
筆者の場合は、価格面や教材内容でベネッセの「ちゃれんじ」と「ワールドワイドキッズ」を購入しましたが、ワールドワイドキッズの絵本はとても便利です。
具体的に言うと、大体これくらいのレベルの絵本だったら読めるのかという基準になりました。
まとめ|おうち英語の多読に潜む失敗のリスク【改善策あり】
ざっと書いてみましたが、おうち英語を始めると決意した時点で、数年間はあれこれ試行錯誤しながら英語に触れていくということが前提になります。
そのため、難しいことを考えずにとにかく楽しむ姿勢を作ることが最優先されるのではないかと考えます。
あなたにとって少しでも本記事の内容が役立てばと思います。
今日も読んでいただきありがとうございました。