おうち英語を3歳から始めようとすると、子どもが拒否したり興味を持たないことですぐに諦めたといった体験談を目にすることがあります。
おうち英語を3歳から始めるのは遅くありませんし、上手にできればちゃんと英語を聞いたり話したりできるようになります。
教育学部卒で、おうち英語歴2年半の筆者が注意点や具体的な方法を紹介します。
おうち英語のスタートは3歳でも遅くないのか?
冒頭でも答えましたが、おうち英語のスタートは3歳でも遅くありません。
ドイツ出身で言語学者のエリック・レネバーグ(Lenneberg,E.H.)(1967)は、言語習得の上限を11歳~12歳だという限界説を提唱しています。
他の研究でも6歳頃までだという内容もありますが、3歳であればまだまだ習得できる可能性が高いと考えられています。
3歳はどのような状態か
3歳はというと、ある程度言葉が話せるようになっていて、思考力や判断力が急成長する段階といえます。
また、運動能力も高くなり、自分で挑戦したり工夫したいと考える時期でもあります。
文字の認識も2歳頃から意識していれば、3歳になる頃にはひらがなを読めるようになっています。
つまり、爆速で成長できる時期にいるのが3歳児だというわけです。
3歳児がおうち英語をする際の注意点
しかし、可能性に満ちた3歳児がカンタンに英語を習得できるかというと、実際にはそうではありません。
さまざまな障壁があることも事実です。
上手におうち英語を導入するために注意点をいくつか紹介します。
母国語が優先される
3歳にもなると、母国語で意思表示ができます。
そのため、耳が母国語に集中しやすくなり、英語を聞き取ろうとしない(聞き取る必要性を感じない)という可能性がでてきます。
母国語でママパパと意思疎通ができて、テレビのアニメも分かるのだから必要性を感じないのは当たり前のことですね。
英語が理解できないため飽きやすい
分からないことには興味を持ちません。
英語が分からないために、イヤな気持ちになったり退屈に感じてしまったりすることがあります。
絵本やDVDでも、これまで見てきた母国語のものに愛着があるため、新しい言語のものに違和感を持つようになる可能性があります。
イヤイヤ期のタイミングとかぶる
この時期の幼児は、イヤイヤ期に陥っていることがあります。
「分からない」「むずかしい」「おもしろくない」といった気持から、イヤイヤを発動させてしまうことはよくあることです。
ママやパパが焦って強制してしまうと更にイヤイヤが強くなり英語嫌いになるリスクもあります。
幼稚園、保育園の友達を優先する
友達とのコミュニティーができると、これも厄介です。
幼稚園や保育園で流行っているアニメやおもちゃ、キャラクター以外を受け入れなくなることがあります。
海外アニメなんて誰も見ていないので、話題にしても「何それ?おもしろくない!」なんて言われて泣いてしまうことも考えられます。
友達の影響は偉大です。
幼児が嫌がると親が萎える
幼児がイヤイヤしたり興味を示さなかったりすると、親は「もういいか」と考えるようになります。
「 小学校から勉強できるし、今は無理しなくてもいいかも」とあきらめてしまいがちです。
忙しいのにあれこれ探してお金を投資してまで環境を整えたのに、と残念な気持ちになります。
おうち英語で3歳児を成功に導く魔法の7ステップ
安心してください。
おうち英語を無事にスタートさせ、成功に導く方法はきちんとあります。
それぞれを説明していきます。
おうち英語の方法①|親子でコミュニケーションをとりながら
おうち英語をする際に最も重要視すべきことが、親子のコミュニケーションです。
おうち英語をはじめる際に例えばアルファベットの書き写しをさせるかもしれません。
そのような時に、子供にだけさせずに隣で一緒に書いたり一緒に読み上げてあげたりすることが大切です。
これまでの母国語の習得でも子供はママやパパとの経験の中から言葉を覚えてきました。
英語も同じで、親子の経験から覚えていくことで自然と使えるようになるわけです。
おうち英語の方法②|英語は遊び感覚で楽しみながら
おうち英語を勉強といってしまうと、それだけで窮屈になってしまいます。
しかし、本来コミュニケーションのツールである言語はコミュニケーションの中から習得できるようになっているものです。
例えばあなたもお子さんも母国語を話せるはずですが、初めから単語や文法を教えてきたなんてことはないはずです。
ある程度のコミュニケーションは会話から習得できるのです。
そのため、やりとりを楽しむという姿勢を大事にしなければなりません。
おうち英語の方法③|文字やカタカナに頼らず五感を活かして
言語習得の最初のステップは耳や目からですが、文字を読める必要がありません。
例えばですが、「elephant(象)」とすると「エレファント」とカタカナ読みしてしまいがちですが、実際は/ éləf(ə)nt /という発音です。
カタカナで読んでしまいがちですが、実際の音はカタカナでは表現できないものもあります。
そこで、文字に注目せず音に注目するのが良いと考えます。
ママパパにとってはちょっと難易度が高くなりますが3歳児にとっては0歳~2歳でやってきたことなので当たり前にできます。
おうち英語の方法④|たくさん褒めてスキンシップを大切に
多くの方が「宿題しなさい」と怒られた経験があると思いますが、怒られた時点で強制になりす。
怒られて自発的にできるようにはなりません。
小さいうちから、小さな成功や挑戦に気付いて褒めてあげるべきです。
英語でも、子供が発したことを楽しそうに聞いてあげれば、その内容が文法的または語彙が間違っていたとしても「もっと話したい」と感じるようになります。
楽しい会話の後はハイタッチやハグも効果的です。
おうち英語の方法⑤|第二子に教える係に任命したり
第二子が生まれるタイミングで、第一子は少しくらいは話せるようになっているはずです。
学習において最も効率的な習得方法は「誰かに説明する」だそうですが、兄弟で教えあうことができればバイリンガル教育は相乗効果が期待できます。
兄弟で英語を使えるようになれば、勝手に会話表現を吸収しだすので、「お兄ちゃんお姉ちゃんが教えてあげてね」と協力をお願いするのは効果的です。
おうち英語の方法⑥|かっこいい・可愛いと褒めてあげて
幼児にとって、「かわいい」「かっこいい」はどこか気恥ずかしく、しかし嬉しくなる言葉です。
英語で「You are smart.」「Cool boy.」なんて言ってあげると「もっと話してみよう」という気持ちになります。
子供は褒められることで行動したり思考する機会を増やそうとします。
大好きなママとパパの笑顔をもっと見たいからです。
毎日子供を褒めてあげましょう。
おうち英語の方法⑦|焦らず怒らず長~い目でおうち英語に挑戦しよう
言語の習得には時間がかかります。
できなくて泣いたり怒ったりすることもありますが、長い目で見ましょう。
英語は言語で、習得には時間がかかります。
3歳児は文字も読めなければ思考力も未熟です。
そのため、まずは楽しみながら少しずつ経験値を増やしてあげることを意識すべきですし、親子で楽しむことで経験を積ませてあげるべきです。
バイリンガル教育は途中で投げ出したくなることやあきらめたくなることもあります。
親子で楽しむことが大事ですよ。